パートを初めて知る方へ
国家試験を通ったから皆同じように優秀などということはあるわけがない。
ピンからキリまでいるわけである。
実際にも医療過誤が頻繁に起きている。
最近になって、厚生労働省は医者の能力に分布があることを認めたが、重大な一歩であるといった以上はどのような分布かを国民に示さなければならないわけで、病院の能力格差の調査が進行中である。
このように現在、草命的なことが起きつつあるが、伝統的に日本の医者は治療の内容をほとんど説明してこなかった。
説明しても分からないだろうと高をくくってきたのだと思う。
そのため患者の方は自己判断ができないし、自己選択ができない。
自分の健康状態や病気の治療について情報がなく理解できないから、自己管理ができない。
従って、医療技術と施設は世界最高水準のものがあるが、情報がないので何が行われているか分からず、日本の国民は非常に不安な状態に置かれている。
この問題の本質は医療情報の非対称性という問題である。
医療情報は専門家である医者の側がそのほとんどを握っていて、患者側はわずかな情報しか持っていない。
これを非対称性と言う。
情報が非対称的な場合は市場が形成されず、最適解には到達できない。
医者と患者の双方が同じ交渉力を持ち、互いに切薩琢磨すれば最適解をみつけられるが、片方が圧倒的に強かったら最適解に到達できない。
これが日本の医療の現状である。
いま求められているのは非対称性の克服である。
つまり医療の情報化を図り、情報を開示する。
患者や素人が少しでも自分の体や投薬や手術について理解できるところまで説明をする。
普通にやっても理解できないから、第三者が立ち会い、医者の説明の良し悪しをコーチするやり方がいい。
これらのことをこれまで日本の医学界は基本的に排除してきた。
ようやく医療情報化への動きが出てきている。
例えば、厚生労働省が設置した「保険医療情報システム検討会」(開原成允委員長)が二OO一年三月、「保険医療分野の情報化にむけてのグランドデザイン」という画期的なレポートを出している。
これは、二一世紀の医療提供の姿を描き、その目標に向かって必要なことをやっていこうというものである。
もう少し具体的にみると、まず患者の選択の尊重とそのための情報提供、質の高い効率的な医療提供体制の構築、国民の安心のための基盤づくりが彊われている。
ついては、根拠に基づく医療支援と電子カルテシステム、遠隔診療支援の体制を整備することで実現する。
ム、物流管理システムを整備する。
これはいわゆる電子商取引であり、インターネットのネットワークで薬のやり取りなど多くのことを処理してしまおうというものである。
要なことをすべてリストアップし、関係者の誰もが情報を共有し、どこで何が行われているかがすべて分かる形で治療を進めていく。
これによって医療過誤などがミニマムにできるという。
このレポートでは五年後の医療の姿を、次のように分かりやすく描いている。
医療機関に行く前に、病院や医者など医療機関を選択する環境が整う。
分かりゃすい医療情報が容易に入手できるようになり、手元のパソコンをクリックすれば、自分がどんな治療を受けられるかが病院に行く前につかめるようになる。
川診察時には、いろいろなことが可能になる。
まず院内の情報伝達と情報処理の効率化によって待ち時間が短くなる。
医者の診断結果がすぐ電子カルテになり、それが院内を瞬時に駆けめぐるからである。
それから、電子カルテの利用で説明が分かりやすくなる。
電子カルテになると、医者が現場で判断するときに、例えば胃の状態をビジュアルにみられるし、それを患者もみることができるから、医者の説明が理解しやすくなる。
データベースが整備されて何十万人という患者の疾病管理デ−タが蓄積されると、個々の病気の平均的なプロセスがみえるようになり、間違った治療を受けるリスクが大幅に軽滅されるようになる。
そのほかに、検査結果のデ−タが電子カルテに載るようになり、専門医への紹介がスムーズになる、電子化された診察結果を関係者の誰もがみられることでより客観的なセカンドオピニオンが得られやすくなるため、間違い診療の確率が減っていく、インターネットを使えばテレビで遠隔治療ができるため、離れた地域の専門医の診療が受けられる、医療事故が防止される、電子カルテによって事務的作業が効率化される分、医師と患者が接する時聞が当然長くなる、無駄なことがなくなるから医療資材の購入価格が当然安くなるなどのことが実現される。
千葉県の鴨川にある亀田病院は、日本でおそらく最も電子カルテ化が進んでいる例である。
世界で一番進んでいるかもしれない。
例えば薬局でも、患者が空いている窓口に次から次へと行っても、三人以上は待つことはない。
全部電子カルテだから早い。
亀田病院ではいま、「情報化にむけてのグランドデザイン」の支援に基づく社会実験が行われている。
在宅の場合も、テレビ対話で情報伝達をするため、無理に通院する必要はない。
データベースとインターネットで自分のカルテなどの医療情報が入手しやすくなり、病院へ行かずにすむことが多くなる。
制救急時には、より早く適切な救急医療が受けられる。
例えば、搬送している救急車の中から患者のデ−タを携帯で送ってしまうから、病院に着いたときにはデータが全部入力されている。
リアルタイムでデ−タを送りながら進むので、途中で容態が変わっても、救急医療機関やかかりつけの医者と連携をとることも可能になる。
同日本の医療全体としては、患者の選択の尊重と情報の提供、質の高い正確な情報を国民から得られる環境設備、質の高い効率的な医療提供体制(競争を通じた医療の効率化・重点化)、国民が安心できる医療情報の管理運用体制の整備、国民の安心のための基盤づくりが図られる。
電子カルテシステム導入の第一段階は、「医療施設の情報化」である。
最初にやることは用語・コードの標準化。
病院によって病名が違っていたりするので、辞書をつくる必要がある。
辞書がなければ危険だから情報化しない方がいい。
それから病院の部門間の連携をする。
第二段階は、「医療施設のネットワーク化」。
情報のセキュリティを確保し、個人情報の保護対策を行いながら、地域医療連携体制を確立していく。
第三段階は、「医療情報の有効活用」。
医療情報を整備・収集し、診療情報の研究や保険行政に利用するためのル−ル寺つくりゃ国民の合意形成を図る。
第四段階は、「根拠に基づく医療の支援」。
これはEBMと言い、非常に重要である。
やればいいというのではなく、やったことによる効果を確認しながら進めるのがEBMである。
そうでないと、根拠のないところに予算を注ぎ込む無駄をしたり、危険な結果を招いたりする。
実証研究がまだまだ手薄である。
これを体系的に進めようということである。
医療情報システム構築の戦略として、川レセプト電算処理システムの計画的推進も図られる。
具体的には、病傷名のマスターコ−ドの見直しゃオンライン請求の検討、大病院中心に医療機関への参加の働きかけなどによって、レセブト電算処理システムを計画的に推進することになる。
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